上演芸術における日本語音声の音響的特徴抽出とその音声教育への適用に関する研究
Project/Area Number |
04207115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University of Arts |
Principal Investigator |
中山 一郎 大阪芸術大学, 芸術学部, 助教授 (60029890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上畠 力 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00030354)
垣田 有紀 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00098823)
柳田 益造 郵政省通信総合研究所, 関西支所・知的機能研究室, 室長 (00116120)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1992: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 日本語による歌唱 / ベル・カント唱法 / 歌詞の明瞭性 / ソプラノ歌手 / 高ピッチ発声 / 音韻性識別実験 / 正答率 / 母音環境 |
Research Abstract |
日本語の詞を洋楽的唱法(いわゆるベル・カント唱法)で歌唱する場合、しばしば歌詞の不明瞭さが生じ、“何を言っているのか分からない"という事態を招いており(特に、女声の高ピッチ発声時)、その改善が強く望まれている。今年度は、歌詞の明瞭性(「音節を聞き違えない」と定義)を規定する要因を明らかにする研究の一環として、前年度に行った先行母音を伴ったCV音節(Cは鼻音、破裂音の全て)の音韻性識別実験を更に発展させ、Cとして磨擦音、破擦音、半母音、弾音の全て(合計27音節)を評価対象の音節(対象音節)とした。実験方法は、プロのソプラノ歌手(6名。3種類の音高で発声)が無響室内で、先行母音と対象音節の組合わせをランダム化して発声した13音節列の発声刺激(合計234音節列=13音節列×6発声者×3ピッチ)を8名の被験者(男・女学生各4名)がヘッドホンの両耳受聴によって対象音節の音韻性を識別した。 その結果、次のことが明らかになった。1.一般的に、対象音節の正答率は先行母音の影響を受ける。但し、対象音節の母音が/a/、/i/、/u/の時はその影響は少ない。2.一般的に、発声ピッチ上昇と共に正答率は低くなるが、対象音節の母音によって正答率の劣化の程度は異なり、/a/の時に少なく、/u/の時が最も大きい。3.対象音節の母音が/o/の時は低いピッチでも正答率は低いため、歌唱時には低いピッチでも注意する必要がある。また、/u/の時は、2.でも述べたように特に注意する必要がある。4.清音と濁音との正答率の差は殆ど認められない。5.今回の結果は、前年度の鼻音、破裂音の場合の結果と殆ど一致する。 なお、今回は異聴を生じさす要因毎(対象音節の母音環境・調音点・調音法等)の寄与の度合いを、因子分析等の統計的手法を用いて分析出来なかったが、それらを用いれば寄与の度合いが更に明確になると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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