Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 秀章 東京大学, 総合研究資料館, 助教授 (20004450)
吉永 秀一郎 農林省, 森林総合研究所, 技官
近藤 昭彦 東京都立大学, 理学部, 助手 (30201495)
増田 耕一 東京都立大学, 理学部, 助教授 (30181647)
武内 和彦 東京大学, 農学部, 助教授 (90112474)
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Budget Amount *help |
¥17,300,000 (Direct Cost: ¥17,300,000)
Fiscal Year 1992: ¥17,300,000 (Direct Cost: ¥17,300,000)
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Research Abstract |
[原環境の復元]班の研究目的は,人間の土地利用によって失われた自然環境を数値地図を用いたシミュレーションによって,推定・復元しようとするものである。これは重点領域研究[近代化による環境変化の地理情報システム]において,人間による環境変化の原点を明らかにする部分を担当している。 本年度は,気候と植生,地形と植生,土壌と植生,地形と土壌というように,環境構成要素間の単相関を明らかにし,残存自然植生と気候・土壌・地形・地質などの空間的相関を鍵として潜在的自然環境の復元を行った。さらに大気温暖化の影響が具体的に,すなわちどこで(地域)どのうような(植生・土地利用などの項目)影響が現れるのか,シミュレーションで明らかにした。例えば平地の多い北海道では,2℃の気温の上昇によって,水田と畑の可耕地面積が急増することが明らかになった。 今年度,新たにアメリカのEPA/NGDCから各種の数値地図を入手し今年度の後半は研究対象を全地球に拡大した。そして,植物の分布を支配する気候要素として暖かさの指数(WI)の他に,可能蒸発散量と降水量から計算される水分指数(MI)を導入した。そして現存植生とこれらの気候指標(WI,MI)との空間的対応関係を明らかにした。その結果,地球規模の植生分布の気候的制約条件が明らかになったので,この関係を用いて,地球の潜在自然環境(人間が存在しなかったとしたときの自然環境)を明らかにし,気候変化によってどのような影響が起こるか地図として予測できるようになった。 今年はこのプロジェクトの最終年度であり,これまでに作成した数百枚の数値地図を収録したCD-ROMを出版した。このほか6編の研究成果を総轄班発行の総合報告書に掲載している。
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