中部日本の扇状地における農業的土地利用の時間的・空間的変動に関する地理学的研究
Project/Area Number |
04209202
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田林 明 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (70092525)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 正 筑波大学, 地球科学系, 講師 (80207729)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 扇状地 / 土地利用 / 地域差 / 中部日本 / 水田継続型 / 農業的土地利用集約型 / 都市化型 / 自然条件 |
Research Abstract |
日本の経済活動の主要な場である平野の特徴は、扇状地地形が発達していることである。したがって、典型的な扇状地の農業的土地利用の時間的・空間的変動を分析することによって、日本の農業的土地利用形成の地域的条件とメカニズムを探ること、そのための土地利用データを整理することが本研究の課題である。 中部地方の133の扇状地を対象として、1930年代と1960年代、1980年代の5万分の1地形図に着色することによって土地利用図を作成し、さらにそれに分割メッシュ(基準メッシュを4分割したもので1区画がおよそ500m四方となる)をかけ、ポイントサンプリング法によって数値化し、各年次の土地利用を比較検討した。1930年代と1980年代のそれぞれの扇状地の各メッシュごとの水田や畑・牧草地など13種の土地利用種目の面積についてデータファイルを作成し、広く活用できるようにした。また、1970年以降の日本の扇状地の農業・農村地理学に関する研究成果を収集して、文献リストを作成した。 1930年代から1980年代までの中部地方の扇状地の土地利用変化を検討シ、それを類型化すると、北陸地方を中心とした「水田継続型」と中央高地を中心とした「農業的土地利用集約型」、東海地方を中心に分布する「都市化型」に分類することができた。それぞれの類型を代表すると考えられる富山県黒部川扇状地、山梨県白川・金川扇状地、静岡県大井川扇状地の検討によって、地域の自然的・位置的条件や社会・経済・文化的条件によって農業的土地利用が大きく規定されていることがわかった。なかでも積雪の有無といった自然条件と大都市の距離にかかわる作物の市場と労働市場の条件の違い、藩政期の支配体制に起引する社会構造や文化的伝統などが特に重要であることがわかった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)