利根川水源流域における河川開発に伴う流況変化と自然流況の復元
Project/Area Number |
04209205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
虫明 功臣 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50011060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖 大幹 東京大学生産技術研究所, 助手 (50221148)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 利根川 / 流況変化 / 河川開発 / 多目的ダム / 水力開発 / 雨量相当容量 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は大きく2つに分けられる。1つは、利根川水源流域で長期に渡って流量資料が得られる観測点の流況曲線の分析による大規模貯水池の建設が下流流況に及ぼしている影響の検討であり、もう1つは、2つの指標の適用によって全国レベルで河川上流域での貯水池開発の効果を評価したものである。 利根川流域で長期流量資料が得られるのは、本川上流の岩本地点と鬼怒川上流の中岩地点の2つだけである。両地点上流では複数のダムが順次建設されているが、まずそれらの〓工年で区分した期間毎に年間流況曲線が比較された。その結果、本川上流ではダム建設に伴ない低水流量の増強が認められるが、鬼怒川上流では逆に流況の悪化が認められた。この原因を調べるために、それぞれに対してカンガイ期と非カンガイ期に分けて流況曲線の比較を行なったところ、農業用水補給に重点がある鬼怒川のダム群では次のカンガイ期に備えて冬期渇水をも貯留するために低水流量を低下させていることがわかった。この点はさらの貯水池の貯留効果を消去した流量復元手法の適用によっても確認された。以上の検討により、主要な結論として、都市用水補給型と農業用水補給型の貯水池では下流流況に与える影響が著しく異なることを指摘している。 日本全国の108の1級河川を対象として、(1)ダム流域の支配面積率、および(2)貯水容量の雨量相当容量、の2つの指標が整理され、地図上に表示された。これによって、各河川ごとのダム開発の程度と相互比較が極めて容易になった。主な結論として、降雪地帯の河川とそれ以外では有効貯水量相当雨量と洪水調節容量相当雨量の配分に地域性が認められること、年間流出高あるいは洪水流出高との相互関係で見る時、日本の河川では利水、洪水調節とも貯水池に対する依存度が低いこと、などを指摘した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)