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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
本研究は,遺跡探査用レーダの開発を目的とし,地中の石室,金属性遺物,遺溝等による電磁波の散乱機構の解明,及び地上で観測される電磁波の過渡応答からそれらをイメージングするための手法,の2つについて理論的・実験的に検討したものである. 1.地中埋物による電磁波の過渡散乱:任意形状の導体あるいは誘電体が地中に埋設され,地上に吸収体装荷キャビティ付きアンテナが置かれている場合の地中内の過渡電磁界,金属シールド・吸収体の影響等をFD-TD(有限差分-時間領域)法を用いて数値的に解析する手法を開発した.また,地上にダイポールアンテナあるいはループアンテナが置かれており,地中に円柱導体が埋設されている場合のアンテナによる過渡受信特性を解析するとともに,実験によってその妥当性を確認した.その結果,電磁波の散乱現象は概ねアンテナと埋設物の間の直達波とラテラル波によって説明できることがわかった.これは従来指摘されていなかった新しい知見である.2.埋設導体のイメージング:一様な誘電体中の埋設された導体を地上からアクティブにイメージングする手法を考案し,その有効性を多くの数値シミュレーション及び実験によって確認した.この方法は近似をほとんど含まない準厳密なバイスタティックイメージング法である.また,イメージに与える偏波の影響も検討し,偏波によって異なるイメージが得られることが分かった.さらに,地中埋設導体のおおよその形状を推定できることが分かった.本手法は2次元のイメージング法であるが,適当なアンテナを用いればこの方法が3次元イメージングに適用することができる.石室や遺溝などの誘電体埋設物のイメージング法を検討することが今後の課題である.
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