Project/Area Number |
04215105
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
大瀧 仁志 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (80022549)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 弘幸 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00176968)
佐々木 陽一 北海道大学, 理学部, 教授 (30004500)
山口 敏男 福岡大学, 理学部, 助教授 (70158111)
舟橋 重信 名古屋大学, 理学部, 教授 (30022700)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥23,700,000 (Direct Cost: ¥23,700,000)
Fiscal Year 1992: ¥23,700,000 (Direct Cost: ¥23,700,000)
|
Keywords | 反応活性種の構造 / 迅速EXAFS / 高圧ストップト・フローNMR / エチレンジアミン溶媒交換反応 / 金属クラスター錯体 / 迅速時間合解X線回折 / 結晶成長の動的過程 / 溶解過程 |
Research Abstract |
本研究では、計画班員5名が分担・協力して反応活性種の構造に関して研究するとともに、公募班員とも積極的に協同研究を展開し、数々の大きな成果を得た。以下に主な成果を要約する。1.大瀧・舟橋は、実験室スケールのエネルギー分散型迅速EXAFS測定装置を開発し、メタロポルフィリンの金属イオンの置換反応時に存在すると推定されていたヘテロ二核中間体の構造を直接決定することに成功した。2.舟橋は世界で初の高圧ストップト・フローNMR測定装置の開発に成功し、高圧下で種々の溶媒交換反応や錯形成反応を追跡し、圧力効果から遷移状態の構造を推定した。たとえば、ポルフィリン錯体の生成反応においては、ポルフィリン環の変形した活性種が存在することや、金属(II)イオンのエチレンジアミン溶媒交換反応では、エチレンジアミンが単座で配位した中間体が存在することを示した。3.山口はイメージング・プレート検出器を用いた迅速時間分解X線回折装置の開発に成功した。結晶成長の動的過程を解明するため、室温から過冷却状態にいたる溶液中のイオンや水分子の静的・動的構造をラマン分光法、X線・中性子回折法等により種々の反応過程について研究した。たとえば、ジおよびトリプロモ亜鉛(II)錯体の第一配位圏から解離した溶媒分子が水素結合により系内で安定化するため、低温でテトラプロモ亜鉛(II)錯体の生成が有利になることを示した。4.佐々木は複雑な金属クラスター錯体の生成や電子移動過程中に存在する中間体の役割を解明するため、オキソ-アセタト袈橋型のルテニウムクラスター錯体を対象として合成的研究を遂行し、種々の反応中間体の構造に関する知見を得た。そして個々の知見を再構築することによって、錯体の系統的合成経路を明らかにした。5.大野は高分子溶液中における各種無機塩の溶解過程を解明した。大瀧は本研究の目的に沿った総括を行い、本研究は、当初の計画通り遂行できた。
|