Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
(1)OH^-及びOD^-イオンを含む水酸化ナトリウム,水酸化カリウム溶融塩に対して593-873Kにわたる温度領域で,偏光及び偏光解消ラマンスペクトルの測定を行ない,スペクトルのフーリエ変換より振動及び回転の自己相関関数を求めた。温度が上昇するにつれて振動の緩和時間は最初長くなるが,極大値を取り次いで減少することが判った。これは低い温度ではmotional narrowdng効果が大きく,高温ではinliomogeneous broaoteningが大きくなるためと考えられる。回転の自己相関関数は短時間で急激な緩和を示し,長時間では指数関数型の減衰を示す。前者はOH^-イオンのlibrationにより,後者は配向運動による。回転の緩和時間は温度上昇とともに短かくなる。またNaOHとNaODあるいはKOHとKODの緩和の違いは,振動緩和に対しては,振動子の換算賃量の違い,また回転緩和に対しては振動子の慣性モーメントの違いによると解釈した。 (2)OH^-振動のRamanスペクトルの形を分子動力学シミュレーション(MD)と分子軌道計算(MO)を用いて解析する方法を提案した。すなわち溶融LiOHのMDを行ない,そのイオン配置を用いて計算した。すなわち1つのOH^-イオンを,周囲のイオンの配置は凍結させて,O-Hの長さを4通りに変え,それぞれについてMO計算を行った。その際,MIDI4vasis setを用い,酸素にはp-type diffuse関数を取入れた。こうして計算したポテンシャルにMorse関数を適用し,解離エネルギー,平衡結合距離などを求めた。このようにして任量に選んで数個のOH^-イオンについて合計4096個の振動数Lo(オ)(n=0→遷移)を求めた。この振動数の分布ではかなり広いωにわたる分布が見られ,そのピーク位置は,真空中により高波数側にシフトして,波形は高波数側にしャープになっている。更にO-H距離の自己相関関数のフーリエ変換から振動スペクトルを求めるとより実験値に近くなり,動的効果を取入れると改良されることが分った。
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