金属錯体の非平衡及び不安定化学種のin-situ分光電気化学計測
Project/Area Number |
04215219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷口 功 熊本大学, 工学部, 教授 (90112391)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 分光電気化学法 / In situ 測定 / 金属タンパク資 / 不安定中間体 / 酸化インジュウム電極 / 複核金属錯体 / 非ヘム酸素モデル錯体 / 機能修飾電極 |
Research Abstract |
本研究では、酸化還元状態制御が容易な電気化学法と化学種の構造や性資の評価に有効な分光学的手法を組み合わせたin situ分光電気化学法を開発・応用して、機能性金属タンパク資に関する種々の化学種の評価を行ない、以下のよすな成果が得られた。1)タンパク資など貴重な試料の紫外一可視吸収スペクトル測定に有効な新しい微小容量(約50ul)分光電気化学セルを開発した。同様に、近赤外分光電気化学セル、円偏光二色性及び蛍光分光電気化学セルを初めて作製し、ヘムタンパク資及び金属錯体の系に応用した。この新しい手法の開法によって、電子移動に伴って生成する化学種の構造による幅広い分光電気化学測定が可能となった。 2)タンパク資の分光電気化学測定及び電気化学測定においては、例えば、ミオグロビンおよびシアノミオグロビンの還元反応を比較検討して、後者は、電子移動の後、還元反応中間体を経てシアン化物イオンが脱離するのに対して、前者は、電子移動(還元)反応と同時に水分子が協奏的に脱離することず示された。 3)In situ分光電気化法を用いて、溶液中で酸化還元状態を制御し、そのままの状態で、0.1MBu_4NCIO_4を支持塩とするアセトニトリル中でルテニウムの二核、三核、及びロジウムの三核オキソ錯体について、種々の酸化・還元状態の明瞭な紫外・可視スペクトルを初めて測定した。その結果、複核金属イオンの混合原子価状態の存在とそのスペクトル的性資を明らかにするとともに、得られたスペクトルは、金属イオンのdπ軌道と架橋オキソイオンのpπ軌道の相互作用により生ずる分子軌道間の遷移により説明された。さらに、二核ルテニウム錯体について、非ヘム酸素モデル反応として興味深いプロトン存在下での酸化・還元反応や酸素との相互作用を明らかにした。加えて、この種の錯体の電子状態や構造の評価にin situ分光電気化学法が有効であることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)