Project/Area Number |
04215222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
立屋敷 哲 女子栄養大学, 栄養学部, 講師 (00076192)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 反応中間体 / 五配位中間体 / ルテニウム(II)錯体 / 溶存構造 / 光配位子置換反応 / 1,2-ジイミン錯体 / ポリピジン錯体 |
Research Abstract |
本研では3,3'-ジメチル-2,2'-ビピリジン(=dmbpy)がルテニウム(II)に単座配位した光配位子置換反応の中間体について、このものを同定するとともにその溶存構造を決定し、この中間体の高い反応性と構造との関係を明らかにした。また、中間体生成に及ぼす溶媒の影響、および中間体に配位した溶媒分子の置換反応性、を検討した。 1.中間体の同定:(i)吸収スペクトルによる同定-光照射直後の[Ru(bpy)_2(dmbpy)]^<2+>のアセトニトリル溶液をHPLCにかけることによっり反応中間体を部分的に分離できた。このものの電子スペクトルが[Ru(bpy)_2(3-メチルピリジン)(CH_3CN)]^<2+>のそれとよく似ていたので、中間体は[Ru(bpy)_2(dmbpy)(CH_3CN)]^<2+>と同定された。(ii) ^1H NMRスペクトルによる同定-光照射直後の錯体アセトニトリル溶液の ^1NNMRスペクトルを400MHz装置で10゚Cで測定すると中間体に帰属されるメチルシグナル、芳香環の ^1Hシグナルが観察された。これらのシグナルは加熱により消失し、その分、母錯体のシグナル強度が増大した。 2.中間体の溶存構造:中間体のメチルシグナルと芳香環 ^1Hシグナル共鳴周波数の、母錯体のシグナルとの違いを基にして、この中間体では単座配位dmbpyの二つのピリジン環が互いに垂直にねじれていること、Ruと結合していないdmbpyピリジン環上のメチル基は隣接bpy分子の上端に位置しいてること、が明らかにされた。 3.中間体の構造と反応性との相関:水溶液中、中間体に配位した水分子の熱置換速度は通常のRu(II)錯体のそれよりも2-3桁大きい。この理由は、単座配位dmbpyの非配位ピリジン環との立体障害によりRu(II)-OH_2結合が歪む為であることが上で得られた中間体構造を基に結論された。 4.有機溶媒中での単座配位中間体の光生成と熱キレート閉環反応:両反応共に溶媒の配位能、分子の大きさ、との相関が観察された。
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