Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
日本列島アレイによって記録された遠地地震のP波およびPcp,PKP波初動走時の読み取りと走時解析を行った。この研究の目的は(1)アレイ各観測点の観測点補正値(走時残差)の決定と(2)走時解析による外核・内核の速度構造の決定にある。日本列島アレイによって記録された1991年4月から92年7月までの40地震のデータを用いた。北海道大学および弘前大学の微小地震観測綱を用いた遠地地震P波走時残差の調査(Nakanishi・Motoya,1990;佐藤他,1989)はこれまでにもあるが,日本列島全域におよぶ高精度の調査はなく日本列島アレイデータを用いた地球深部構造の研究に先だってこれを調べる必要がある。まず走時の読み取り精度の高い遠地P波初動走時の読み取りを行ない,日本列島全域の走時残差の決定を行った。日本列島全域での大きな(±1秒以上)残差の変化が明らかになった。地殻構造に起因する0次の項とプレート構造を含む上部マントル構造に起因する高次の項を求めることができた。結果は92年秋の地震学会で発表された。次に読み取った走時データを用いて地球中心核のP波速度構造の決定を行った。PKP波の3つのブランチ(AB,BC,DF)のデータを主として用いた。日本列島で観測されたPKP波には2〜3秒の系統的な遅れが見られた。これは日本列島付近の上部マントルでの速度異常と考えられるので1992年5月に中国で行なわれた核実験によるPcP波走時を使い上部マントル構造の補正を行ない中心核のP波速度構造を決定した。結果は93年春の地震学会で発表される。
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