Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Research Abstract |
1)光学活性セレノキシドの合成 2-exo^-ヒドロキシ-10-ボルニル基をリガンドとすると,光学活性セレノキシドが容易に得られることが判明した.すなわち,各種のアルキルよおびアリール2-exo^-ヒドロキシ-10-ボルニルセレニド(1)をメタクロロ過安息香酸により酸化すると、ほぼ単一のセレノキシド(2)が高収率で得られた.一方、過酸化水素酸化(氷冷下、4.5時間)では2種類のジアステレオマー混合物として得られるが,酸処理,シリカゲルカラムや再結晶操作により異性化して,単一なセレノキシドが好収率で得られる.なかでも,2-exo-ヒドロキシ-10-ボルニルフェニルセレノキシド2(R=Ph)は,室温でも極めて安定であり,その絶対構造はX線結晶構造解析により決定した. 2)ハロセレヌランの合成 2-exo^-ヒドロキシ-10-ボルニルフェニルセレノキシド2(R=Ph)を用い,ハロセレヌラン3の合成を検討した.2(R=Ph)に塩化水素(室温,2時間,100%)あるいは塩化アセチル(室温,1時間,62%)を作用させると,クロロセレヌラン3a(mp134-135℃,[α]_D+211.9°(c1.00,CHCI_3))が得られた.同じクロロセレヌラン3aは対応するセレニドにt-Buoci(0℃→1.5時間,100%)を作用させても得られる.ブロムセレヌラン3b(mp122-123℃,[α]_D200.6°(c1.58,CHCI_3)も,同様の方法で得られた.3a,bは光学活性ハロセレヌランが安定に単離された最初の例である.クロロセレヌラン3aは,X線構造解析の結果,Se-0(1.84Å),Se-CI(2.58Å)がアピカル位をとっており,これらの結合距離はそれぞれのvan der Waals半経(3.40,3.80Å)よりかなり短く,三方両錐構造であることを支持している. 3)ハロセレヌランの反応 クロルセレヌラン3aに対する各種求核試薬の反応を検討し、その立体化学についても検討を加えた。
|