Project/Area Number |
04217214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内本 喜一朗 京都大学, 工学部, 教授 (90025958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶌 幸一郎 京都大学, 工学部, 助教授 (00111922)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | シラシクロブタン / シラシクロペンタン / ラジカル環化 / トリエチルボラン |
Research Abstract |
交付申請書に記載の計画に従い研究を行い次の成果を得た。 1.〆位のケイ素原子によって安定化された炭素陰イオンは新しい炭素炭素結合生成の手段として有機合成に数多く利用されている。今回,2位にトリメチルシリル基をもつシラシクロブタンやシラシクロペンタンを基質としてとりあげ2つのケイ素原子によって安定化された炭素陰イオンを作り出しそのアルキル化について検討した。1-イソプロポキシ-1-フェニル-2-トリメチルシリル-1-シラシクロペンタンにtert-ブチルリチウムを作用させると2-リチオ体Aが生成し,続いてハロゲン化アルキルを加えるとアルキル化体が収率よく得られることが明らかとなった。こうして得られたアルキル化体はその炭素-ケイ素結合を酸化的に切断することによって1,4-ジオールへ変換することができた。従って全体として見れば炭素陰イオンAは1-リチオ-1,4-ブタンジオール等価体ということになる。 2.シラシクロブタンにリチウムカルベノイドを作用させると環拡大反応が進行し,2位にハロゲン原子をもつシラシクロペンタンが容易に得られることを報告している。今回はこの反応を利用して合成した1-アリロキシ-2-ハロー-1-シラシクロペンタンを基質としてとりあげそのラジカル環化反応について検討した。その結果2-ブロモ体に水素化トリブチルスズ存在下に触媒量のトリエチルボランを作用させると環化体のビシクロ化合物が得られることが明らかとなった。また2-ヨード体にトリエチルボランを作用させるとヨウ素原子の転位をともなった環化反応が進行することを見いだした。さらに二級のアリルアルコールを用いて合成した1-アリロキシ-2-ブロモ-1-シラシクロペンタンの2つのジアステレオマーを分離したのち,各々を環化させると反応は立体特異的に進行することも明らかとなった。
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