Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊能 教夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70126308)
山崎 信寿 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (70101996)
久田 光彦 北海道大学, 理学部, 教授 (70000768)
松岡 清利 九州工業大学, 工学部, 教授 (90110840)
沢田 康次 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80028133)
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Budget Amount *help |
¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
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Research Abstract |
本研究では、生物の細胞レベルから個体レベルまでの各段階にみられる多種多様な生体組織における自律分散機能の特徴を明らかにすることを目的に,研究分担者(公募班員を含む)が以下のような課題で研究を行った。 ○下等動物(ヒドラ)の自己組織化現象,○粘菌の知覚行動における自律分散機構,○心臓ペースメーカの自律分散システム,○局所性介在ニューロンの感覚情報処理,○腸神経系の興奮伝達メカニズム,○ニューラルネットワークのリズムパターン生成,○骨の自己組織化現象,○体形と運動に関する自律分散システムの特徴。 以上の研究課題に対する成果については,ここでは割愛するが,本研究活動の一環として,これまでに数回,研究会を開催した。これらの会合で班員全員が討論を行い,生体組織における自律分散的特徴として,以下にような結論を得た。 (1)システムを構成する要素が多い(多自由度である)。(2)要素の全てあるいは一部に自律的特性が存在し,この特性がシステム全体の自律分散機能を特徴付けている。(3)情報(興奮状態,振動状態など)を伝達する媒体が存在する。また,情報伝達は,化学的,電気的,機械的に行われる。(4)情報伝達の種報は要素の変形,移動性,大きさなどに関係している。(5)振動状態あるいは側抑制効果がしばしばみられる。前者は,少量のエネルギーでシステム全体の挙動を統制するのに役立ち,後者は多様なモードを生成させるのに有効と考えられる。(6)生体現象の一側面に注目すれば、散逸構造理論で説明可能な例がある。
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