生体神経回路網の順応過程における自律分散制御機構の解明
Project/Area Number |
04218107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
舟橋 康行 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90023176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 哲也 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (50183976)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 自律分散 / 網膜 / 順応 / 初期視覚 / 標準正則化 / 画像処理 / SN比 / 神経回路網 |
Research Abstract |
脊椎動物網膜では,外界像の特徴は特定の受容野に対応した神経回路モジュールにより抽出される.この神経回路モジュールは近隣のものどうし介在ニューロンにより電気的に結合し,受容野間の連絡が保たれている.本研究では,この網膜神経回路網を例とし,自律分散システムにおける制御機構の一端を明らかにすることであった.今年度の研究成果の概要は以下のとうりである. 1.網膜の神経回路網の等価電気回路モデルを構築し,入出力関係の時空間特性を計算機シミュレーションにより解析した.このモデルは網膜の形態的特徴を反映した5層の神経回路モデルであり,網膜におけるいくつかの初期視覚問題(入力画像の平滑化およびコントラスト強調,動きの検出)を定量的に扱うことができる. 2.このモデルを数学的に解析し,網膜における初期視覚の問題が,高次の空間微分を含む評価関数の最小化問題すなわち標準正則化問題の枠組みにより解くことに対応していることを見いだした. 3.生理学的実験から,上記の神経回路モジュール間の電気的結合の強さは,網膜の明(暗)順応状態により変化することが知られている.これが入力情報あるいはシステムに内在する雑音の大きさに応じた"順応"であることを示した.以上の結果から自律分散システムにおける情報抽出の精度は,モジュール間の結合の強さを入力情報のSN比に応じて制御することにより向上させることが可能であり,実際の生体の視覚系においてこれが実行されていると結論した.
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)