Project/Area Number |
04218221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
長谷川 真理子 専修大学, 法学部, 助教授 (00164830)
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Project Period (FY) |
1991 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1992: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 繁殖システム / レック / 最適戦略 / 性淘状 / 進化 / ダマジカ / 有蹄類 / セル・オートマトン |
Research Abstract |
レック繁殖は、さまざまな繁殖システムの中でも特異なものであり、レックが生じる進化的要因は、まだ解明されていない。ことに哺乳類では、有蹄類、コウモリ、海性哺乳類など、異なる分類群にまたがって、およそ7種類にレック繁殖が見られ、この繁殖システムが、系統とは独立に何らかの生態学的要因によって形成されることに示唆している。 ダマジカは、ヨーロッパからイギリスにかけて広く分布する有蹄類でその繁殖形態は可塑性に豊む。したがって、なぜ一部の集団でのみレック繁殖が生じるのかを解明することは、レックの進化全体を考察する上で重要な貢献をするだろう。 本年度は、ダマジカの諸集団、レック繁殖をする有蹄類の諸集団、しない有蹄類で類似の生態学的環境に生息する諸集団、の生息密度、オスの密度、メスの密度、性比、ホーム・レンジ・サイズ、生存率、繁殖期間の長さ、などの諸要因を比較し、レック繁殖が生じているための要因を明らかにしようとした。これについては、まだ分析中である。 もう一つは、イギリス、サセックス州、ペットワース公園に生息するダマジカの集団のレックに関する詳細なパラメーターをもとに、レックにおけるオスとメスの行動戦略をシミュレートする数学モデルを開発した。前年度は、セル・オートマトンの考えを利用したモデルを作成して計算を行なったが、本年度は、待ち行列の理論を応用したモデルを作成した。モデルの詳細については、現在改良中である。 レックでは、オスどうしは、互いに相手のなわばり内のメスの数を減らそうとし、メスどうしは、互いの行動をコピーし合って、一見カオス状態の中で交尾が行なわれていく。これは、システム全体としての目的はなく、個々のオスとメスの目的のみがある自律分散システムであると言えるだろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)