Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本年度は,平成3年度に作成したDADシステムのための演繹データベース(DDB)の推論エンジンのプロトタイプに対し,処理効率・利用者インタフェースの点から改良を行った。具体的な研究成果を以下に示す。 1.複合項の処理効率を改善するためにデータ構造の共有に対応するハッシュ関数を用いる手法を評価した。 2.テンプレートを用いて検索条件を入力する利用者インタフェースを提案した。 3.2.のインターフェースを使って入力された検索条件から実行効率のよいルールを生成する手法を提案した。 演繹オブジェクト指向データベース(DOOD)に関しては,応用分野をDADに限らず,ゲノム情報処理への応用も考え,開発を行った。ゲノムとは生物の遺伝情報の総体のことであり,ゲノムのデータにはDNAの塩基配列データ,タンパク質のアミノ酸配列データ,タンパク質の3次構造のデータ,染色体地図など多種多様かつ大量のデータがあり,それらのデータは相互に複雑な関連を持っている。具体的な成果を以下に示す。 1.DNA中の生物学的に意味のある配列や2次構造の検索に,平成3年度までに開発してきたDDBを適用した。その結果,ゲノム情報処理におけるDDBの有効性や問題点を明らかにすることができた。 2.DNAの塩基配列に関するデータをオブジェクト指向の概念で整理し,商用のオブジェクト指向データベース(OODB)であるGemStoneを用いて,ゲノム情報処理のためのOODBを実現した。 3.2.のOODBの演繹インタフェースを構築した。 上記の研究を通して,DDBおよびOODBそれぞれの有効性とこれらの統合の必要性が明らかになった。本研究で得られた知見を利用して,ソフトウェアオブジェクトベースの実現にDOODという枠組が利用できると期待される。
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