有糸分裂阻害剤-チューブリン間の精密構造認識の解析
Project/Area Number |
04220210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 成夫 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (00013326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 祐一 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (90164798)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 有糸分裂 / チューブリン / 有糸分裂阻害剤 / 分子認識機構 / Rhizoxin / Maytansine部位 / Phomopsin A / Dolastatin 10 / Ustiloxin |
Research Abstract |
本年度は、(1)海洋生物アメフラシより単離され、強い抗腫瘍・抗チューブリン活性を持つペプチド“dolastatin 10"の作用機作、チューブリン上の結合部位:(2)Vinblastine/Maytansine部位に結合するリガンドの微生物チューブリンに対する作用:(3)新規ペプチド系有糸分裂阻害剤ウスチロキシン(ustiloxin)の生物活性およびチューブリンに対する作用:についての研究において大きな成果を得た。 (1)Dolastatin 10は、vinblastineのチューブリンへの結合を阻害することが報告されていたが、本研究により、rhizoxin、ansamitocin、phomopsin Aのチューブリンへの結合を拮抗的に阻害する。即ち、Rhizoxin/Maytansine部位に結合するが、2か所の結合部位を持つphomopsin Aの結合を完全に阻害することから、dolastatin 10の結合部位も2か所あると推定される。(2)当研究室は、β-チューブリンの構造変化によりチューブリンに感受性、耐性の微生物株3対(A・nidulans-Asn^<100>,-Ile^<100>;S・pombe-Asn^<100>,-Ile^<100>;S・cerevisiae-Asn^<100>,-val^<100>)を持っているが、これら菌株の菌体抽出物からの蛋白分画(チューブリン蛋白を含む)へのvinblastine/maytansine部位リガンドの結合性を調べ、rhi-zoxin,ansamitocin P3は感受性株蛋白に結合し、耐性株蛋白に結合せず、予測どうりの結果を得たが、vinblastine,phomopsin A,dolastatin10はいずれの菌株からの蛋白にも結合せず、生物種間のチューブリン3次元構造の差を示唆するもとして興味深い。(3)イネの穂の病気‘稲こうじ'より新規のペプチド系有糸分裂阻害剤を発見し、ustiloxinと命名して構造決定した。この化合物は、強いチューブリン重合阻害活性、腫瘍細胞に対する幅広い細胞毒性を示す。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)