オルガネラ表層におけるタンパク質の構造認識と膜透過機能
Project/Area Number |
04220219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
遠藤 斗志也 名古屋大学, 理学部, 教授 (70152014)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | オルガネラ表層 / チラコイド膜 / 細胞質膜 / SecY / ラン藻 |
Research Abstract |
ラン藻(シアノバクテリア)は、大腸菌と同様、外膜と細胞質膜に囲まれているが、細胞内には細胞質膜が分化したチラコイド膜系が発達している。大腸菌においてタンパク質の膜透過に関与している細胞質膜の膜タンパク質、SecYタンパク質のラン藻におけるホモログを遺伝子レベルで検索し、塩基配列を決定した。見いだされたSecYタンパク質は、大腸菌のSecYタンパク質と、膜貫通部位の数も含めて、高い相同性を示した。続いてラン藻において、見いだされたSecYタンパク質が、細胞質膜、チラコイド膜のいずれに局在しているかを、大腸菌に発現させたラン藻のSecYタンパク質を坑原として作製した抗体を用いて検出する方法、c-mycの部分配列を付加したSecYタンパク質をラン藻内で発現させ、これをc-mycに対するモノクローナル抗体を用いて検出するエピトープ・タギング法、の二通りの方法で調べた。その結果、ラン藻においては、SecYタンパク質は細胞質膜とチラコイド膜の両方に分布していることが明らかになった。これは、大腸菌型のバクテリアがラン藻に進化するにあたって、細胞質膜が細胞質膜とチラコイド膜に分化しても、SecYダンパク質は分化せずに、二つの膜系でそのまま使われるようになったことを示しており、膜系の進化と分化を考えるうえで、大変興味深い事実である。ラン藻においてSecYタンパク質がタンパク質の膜透過に関与していることを、直接証明するために、現在ラン藻のゲノム上のsecY遺伝子を破壊することを試みているところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)