Research Abstract |
平面衝撃波が衝撃波管内の傾斜面上を過ぎる場合,斜め反射が起こることは良く知られている。傾斜面が滑らかなとき,特殊な場合を除き,入射マッハ数・人射角に対し,反射形態・反射角は一意的に決まる。しかし斜面が粉塵などの多孔性媒質で覆われた場合,粉塵の三次元性やその不規則的配置故に反射波は極めて複雑な様相を呈する。我々は数年来この問題に取に組み,1)反射波の波面構造は非定常に変化する,2)三重点近傍の流れ場は非一様である,3)三重点の軌跡角は滑らかな斜面の場合に比べて小さくなる,そのため4)滑らかな斜面ではマッハ反射になる斜面傾斜角でも粉塵層上の場合には正常反射になることもある,などを明らかにしてきた。しかしながら定量的な観測が欠けていた。そこで本研究では,入射角,反射角,偏角等を精密に計測し,反射構造の定量行把握し,(粉塵層がもつ,表面粗さ,浸透性などを考慮した二次元モデルである溝付き板や,三次元モデルである多孔質板を用いた実験結果を比較対照することにより)粉塵層上の衝撃波の反射の力学的構造を解明することにした。この目的を達成するため,1.傾斜型衝撃波管に設置された傾斜面上の粉塵層上,および2.粉塵層をモデル化した(二次元および三次元)モデル傾斜面上における衝撃波の反射を,短い発光時間(170ns)をもつキセノンフラッシュランプを使用したシュリーレン光学系で観測した。パラメタは斜面傾斜角,マッハ数,粉塵粒径である。得られた衝撃波像から入射角,反射角,三重点の座標等を実物投影機にて精密測定を行い,画像忠析装置にて入射角と反射角の関係を調べた。その結果滑り線に三次元構造(滑り線の広がり)を想定し,粉塵層の空隙率を考慮すると妥当な値となることが分かった。しかしながらこの理論では説明のつかない領域の存在することも見つかった。この成果を応用力学連合講演会,Australasian Conf.,衝撃波シンポジウム,JSME lnt.にて発表した。
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