ブリルアン散乱による金属人工格子の磁性・弾性の研究
Project/Area Number |
04224202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉原 章 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (40166989)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ブリルアン散乱 / 金属人工格子 / スピン波 / 反強磁性結合 / 表面弾性波 / Supermodulus効果 |
Research Abstract |
東北大学科学計測研究所付属機械工場の協力を得て、超高感度・高分解能3+3パスタンデム型ブリルアン散乱装置を完成させた。本装置の完成により、従来我々が用いてきた5パス型ブリルアン散乱装置の性能を遥かに凌ぐ、世界最高クラスの装置を用いた研究が可能になった。金属人工格子・多層膜のスピン数及び表面弾性波研究への応用を開始している。 [スピン波研究]反強磁性結合Fe/Cr多層膜において、磁気モーメントの飽和磁場以下(キャント状態)で2本のスピン波ピークを観測した。各Fe層の磁化が平行に揃った飽和磁場以上では、1本のスピン波ピークに移行することが分かった。他方、強磁性結合膜では、常に1本のスピン波ピークのみが観測された。この2本のピークの存在は、磁気的な単位格子内に2つの磁気的部分格子が存在することを意味しており、ゼロ磁場で反強磁性磁気秩序構造が存在することを分光学的に証明するものである。また、巨大フェリ磁性Co/Gd多層膜のスピン波の研究を行い、世界で初めてフェリ磁性多層膜からのスピン波スペクトルを観測することが出来た。現在、理論的な解析が進行中である。 [弾性研究][001]及び[111]配向Cu/Ni単結晶人工格子の表面弾性波速度の研究を行い、C_<44>弾性定数は積層周期には依存しないのに対し、C_<11>-C_<12>弾性定数が積層周期の低下にともない約60%増加することを明らかにした。Au/Co,Ag/Co多層膜の表面弾性波速度を積層周期と熱処理条件を変えて測定し、界面構造の変化と弾性異常の関連を明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)