Project/Area Number |
04224203
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
篠嶋 妥 茨城大学, 工学部, 助手 (80187137)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1992: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 金属超格子 / シミュレーション / 超弾性効果 / 分子動力学法 / ミスマッチ / 構造緩和 / 高周波スパッタリング / 残留歪 |
Research Abstract |
平成4年度は、コンピューターシミュレーションにより金属超格子の原子構造をシミュレートして、その弾性定数を計算し、超弾性効果の発現の要因を考察した。また、現有設備である高周波スパッタリング装置により金属超格子を作製し構造をX線回折により評価した。 計算機シミュレーションは、相互作用として経験的二体力としてレナード・ジョーンズポテンシャルおよび埋め込み原子ポテンシャル(EAMポテンシャル)の2種類を仮定し、一定圧力下での分子動力学法によってエネルギー的に安定な金属超格子の原子構造を求めた。得られた「試料」に対して、微少な引っ張り・圧縮の応力を負荷し、この応力に対する試料の変形量を分子動力学法によって求め、応力-歪曲線をプロットする。この直線の傾きが弾性係数を与える。計算の結果、構造緩和を完全に行った金属多層膜の構造は、それぞれの金属層が界面を整合化するためにポアソン変形を起こしていた。その歪の符号は、各々の金属層で逆になるため、この構造から微少な応力を負荷した時のポテンシャルエネルギーの増分は、各々の金属層で打ち消し合し、弾性定数は超弾性効果が生じるほど大きくはならず、むしろ混合則に良く合致する結果となる。2次元のレナード・ジョーンズ系で歪の残留を許すような境界条件を入れて、界面のミスマッチを変化させて弾性定数を計算すると、その方向の縦弾性係数がミスマッチ5%でバルクの50%まで増大した。このことから、超弾性効果が生じる原因としては、構造緩和が不十分な歪の残留を許す準安定構造を指摘することができる。高周波スパッタリング装置により作製した金属超格子はX線回折の結果、長周期は確認できたものの、界面がかなり乱れていることが示唆された。このことから、超弾性効果が生じるのに必要とされる残留歪が、高周波スパッタリング装置により作製した金属超格子には含まれていることを意味する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)