金属系多層膜構造の安定性に関する材料組織学的基礎研究
Project/Area Number |
04224214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 亨 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 敏幸 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80225599)
小坂井 孝生 名古屋工業大学, 共同研究センター, 助教授 (80110253)
土井 稔 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135308)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 多層膜 / 組織安定性 / 熱処理 / コバルト一銅合金 / 非線形拡散方程式 / 計算機シミュレーション |
Research Abstract |
(1)CuーrichおよびCoーrichの2種類の固溶体層からなるCuーCo/CoーCu合金多層膜をSiO_2基板上にスパッター法により作製した。この多層膜をCuーCo状態図の2相領域内で加熱した時の構造変化を、オージェ分光法、透過電子顕微鏡法などにより調べた結果、その周期構造はかなり不安定であることが分かった。 (2)真空蒸着法によりSiO_2基板上に作製したAg/Cu二層膜のアニール挙動を調べた。表面層がCuの膜の安定性は良好ではなく、短時間のアニールにより内部層のAgが表面に現れてきた。一方、表面層がAgの膜は、表面層がCuの膜とくらべかなり良好な安定性を示した。 (3)多層膜と同程度の厚さ(数100nm)のNiーCuーSi合金薄膜においても、スピノーダル分解による周期的な変調構造が形成された。この周期構造の波長は数10nmで、多層膜の積層周期とほぼ同程度であった。この実験結果は、多層膜にみられる程度の周期構造の安定性は、本来高いはずであることを示唆している。 (4)多層構造の安定性について、非線形拡散方程式に基づくコンピューターシミュレーションを行った。その結果、Cu/Co多層膜の有する周期構造の熱的安定性はかなり良好であること、また、CuーCo/CoーCu合金多層膜では、アニールすると蒸着時の周期よりもさらに細かな周期構造が形成されること、などが示唆された。 (5)以上の結果を総合すると、積層状態を制御することにより、安定な周期構造を有する多層膜が得られる可能性は高いものと判断される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)