生体関連有機遷移金属錯体における立体識別と反応制御
Project/Area Number |
04225222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
瀬垣 潤一郎 神戸大学, 理学部, 助教授 (10117997)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | チトクロムP450 / ビタミンB_<12> / ポルフィリン / 有機金属 |
Research Abstract |
鉄ポルフィリンとオレフィンとの還元条件下での反応チトクロムP450によるオレフィンの酸素添加反応では酸素の活性化が起こり、オレフィンがエポキシ化を受ける。我々は鉄(III)ポルフィリン、水素化ホウ素ナトリウム、オレフィンの反応系において有機鉄ポルフィリンが生成することを明らかにした。2-ヘプテン、3-ヘプテン、3-メチルシクロヘキセン等の反応により、2-ヘプチル鉄錯体、シス-(3-メチル)シクロヘキシル鉄錯体が位置および立体選択的に生成した。この結果はポルフィリン配位子有機軸配位子との間に立体的相互作用が重要であることを示している。有機鉄ポルフィリンは反応性に富み、臭化ベンジルとのカップリングで2-ベンジルアルカンが触媒的に得られる事を見いだした。コバルトポルフィリンと酸化劑共存系でのラジカル反応コバルト(II)ポルフィリンは水素ホウ素ナトリウムと酸素または過酸化物(t-ブチルヒドロペルオキシド)の酸化還元反応を触媒する。この際に、ヒドロキシラジカルやt-ブトキシラジカルが発生し、コバルトポルフィリンの存在下で有機基質とは選択的な反応な行なう事を明らかにした。この系は補酵素ビタミンB_<12>による基質のラジカル的活性化反応と深い関連がある。そこで、1、2-ジオールデハイドラーゼの反応モデルとして、1、2-ジメトキシエタン、ジオキサンの反応について検討した。いずれの場合にも、有機基質の酸素のα位から水素ラジカルが引き抜かれて生成した有機ラジカルとコバルト(II)とのシグマ結合を持つ錯体が得られた。これらの有機コバルト錯体の反応挙動について詳細な検討を現在行なっている。Ci対称性ポルフィリン配位子の合成有機金属ポルフィリンに於ける有機軸配位子に対するポルフィリン配位子の立体的相互作用とその反応制御について検討する事を目的として、Ci対称性を持つポルフィリンを合成した。そのCi対称性ポルフィリン金属錯体を用いて金属一炭素結合生成反応について検討を始めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)