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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ヌクレオシドの糖部分にフッ素をもつ化合物は、興味ある生物活性を示すものが多い。そこで2'-デオキシ-2'-フルオロプリンヌクレオシドを合成する新たなルートを開発し,その抗HIV活性を調べることとした。まず,6-クロルプリンリボシドを出発原料に6行程で3',5'-O-保護アラビノシドに導き,ジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST)を反応させ,脱保護した後,種々の求核試薬と反応させて6-置換2'-デオキシ-2'-フルオロプリンヌクレオシド(1)を得た。また,6-メトキシ-2-ヨードプリンリボシドを出発原料に,同様の方法で2'-水酸基をフッ素に置き換え,引き続きアンモニア,さらに種々の求核試薬と反応させて2-置換2'-デオキシ-2'-フルオロアデノシン(2)を得た。これらの化合物に抗HIV-1活性は認められなかったが,2'-デオキシ-2'-フルオロ-2-メトキシアデノシンは,HeLa細胞に対して10uMで強い細胞毒性を示した。 次に,タンパク質合成阻害剤であるピューロセイシンの2'-水酸基の役割を検証するため,その2'-デオキシ-2'-フルオロ類縁体(3)の合成を開始した。まず、アラビノシドから1段階でリキソ型エポキシドを合成する方法を見い出し,このものから化合物3の合成中間体となる3'-アジド-2'-フルオロ体を得た。 最後に抗ウイルス剤炭素環オキセタノシンのシクロブタン環へフッ素原子を導入することを検討した。まず,3-メチレン-1-トリチルオキシシクロブタンにフッ化ヨウ素を反応させて付加体3-ヨードメチル-3-フルオロ体とし,さらに5行程で3-ヒドロキシメチル-3-フルオロシクロブチルアデニン(4)を得た。しかし、この方法で3'-フルオロ炭素環オキセタノシンの合成を試みたが成功しなかった。なお、化合物4のうち,トランス体には弱い抗HIV活性が見い出された。
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