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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
1.55コの金原子より成るAu_<55>クラスター,Au_<55>(PPh)_<12>Cl_6,を合成した。NMR,IR測定からAu_<55>であることを確認した。 2.0.5eVから40eVにわたる広い光エネルギー領域で光吸収スペクトルを測定した。従来報告されているものは4eVまでの低エネルギー領域に限られ,このように広い領域での測定は本研究が始めてである。 (1)粒径が光の波長に比して十分に少さい時に成り立つミー散乱から期待される吸収スペクトルを,バルク誘電率を用いて計算し,実験結果と比較した。全体的なスペクトルの様相は計算から期待されるものとよく1致し,Au_<55>クラスターの誘電的性質はバルクにほゞ等しいことが示された。 (2)約10eV以下の低エネルギー域に,ミー散乱からは期待できない少さな構造が観測された。約0.8,3.4,4.5,4.9,7.9eVの構造である。これらは量子サイズ効果を反映した構造と考えられる。 (3)光電子分光スペクトルを本年度末(3月)に測定予定である。 3.平成5年度,科研費が支付されれば,次のことを行ないたい。 (1)Au_<55>より更に原子数の少ない,粒径の小さいAu_<11>,Au_<13>等を合成して,同様の研究を行なう。 (2)Pd_<55>,Rh_<55>などAuと異なる原子より成るクラスターを作成し,Au_<55>と比較する。
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