イオン・半導体マイクロクラスターの分裂・蒸発の実験的研究
Project/Area Number |
04230212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
篠原 久典 三重大学, 工学部, 助教授 (50132725)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | マイクロクテスター / アルカリハライド・クラスター / 炭素クラスター / 光解離 / 光イオン化 / フレーレン / 高次フレーレン / 金属内包フレーレン |
Research Abstract |
本研究は、アルカリハライドなどのイオン結晶性マイクロクラスター、或いは炭素クラスター(フレーレン)に代表される半導体クラスターのレーザー高密度光励起に伴うダイナミックス、特に、クラスターの蒸発分裂、および解離過程を解明することを目的とした。本研究ではアルカリハライドクラスターとしてNaclクラスターを、また半導体クラスターとして炭素クラスターをダーゲットにした。 (1)Naclクラスターの光解離とイオン化: (Nacl)結晶にレーザーを照射してクラスターを生成させると、Clが脱離したタイプのNa^+(Nacl)_<n-1>型クラスターが観測されることが、解っていた。これは、(Nacl)_n+hv→Nz^+…Cl(Nacl)_<n-1>+e^-のクラスター内反応により、Na^+…Cl結合が解裂しやすいためである。本研究では(Nacl)_nクラスターのレーザーイオン化で、intactイオン(Nacl)^+_nを観測することに成功した。また、Na^+(Nacl)_<n-1>型クラスターイオンの光解離で、Na^+_2(Nacl)_<n-2>,Na^+_3(Nacl)_<n-3>型クラスターイオンを初めて観測することに成功した。 (2)高次フレーレン、および金属内包フレーレンの光イオン化と解離: C_<60>,C_<70>以上の高次フレーレン(C_<76>,C_<78>,C_<84>,C_<90>〜C_<96>)は、C_<60>などと比較して、同程度の(レーザー光照射に対して)安定性をもつことが解った。さらに、金属を内包したフレーレン(例えば、Sc_2@C_<82>やSc_2@C_<84>)は、通常のフレーレンと比較して、光解離を起し易いであろうか。本研究では、単離されたSc_2@C_<82>とSc_2@C_<84>のレーザー脱離を行なった結果、高次フレーレンと同程度のレーザー光に対する安定性をもつことが解った。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)