強い相互作用分数統計等、多体効果が本質的な低次元系の数値的手法による研究
Project/Area Number |
04231209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
初見 安弘 東京大学, 物性研究所, 助手 (80218495)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 強相関電子系 / 近藤格子 / 分数量子ホール効果 / エッジ状態 / ハルディン相 / ネットワーク / 計算機環境 / 永久電流 |
Research Abstract |
(I)強い相互作用が本質的に重要な系の場合単純な近似による取り扱いは正当化されないことが多くこの様な場合に、数値的な手法が極めて有力な方法となる。またスピン系は電子系がある意味で相互作用の強い極限で実現しているとも考えられる。特に整数スピンを持つ1次元スピン系においては量子効果が本質的であると信じられており(ハルディン相)そのような系でも数値的手法は重要な役割を果たし得る。この様な観点から次のような成果を得た。 (1)まさに強い相互作用が重要な系である近藤格子の系に対して数値的対角化の方法で研究を行い、系が有限なエネルギーギャップを持つことを示した。(1論文発表) (2)整数スピンの系においていわゆるストリング相関関数を種々の状況で計算し相を区別することを試みた。さらにストリングと分数量子ホール効果における仮想的ゲージ場とを比較することにより、相互の関係を論じ数値的にデモンストレートした。(2論文発表) (II)量子ホール効果におけるエッジ状態の重要性は連続体の取り扱においてはその当初から議論されていたが格子系においてはその重要性が数値的にはいくつか知られいたものの余りよくわかっていなかった。今回エッジ状態を格子系で考えることによりその位相的な性質が系のホール伝導度を定めていることが分かった。これは今まで無限の格子系において議論されていたホール伝導度が位相的な量と関連しているという議論をエッジ状態を使ってあらわに示したことになる。(論文投稿中) またメソスコピック系で問題となっている小さなリングでの永久電流についてもこのエッジ状態を使った議論により研究を行った。(2論文発表予定) (III)ネットワーク化された計算機環境における物性物理研究という面に関してもノートブックパソコン、UNIXネットワーク,電子メールなどを十分に活用した研究を行うことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)