短距離スピングラス模型における数値計算の大型化と新しい境界条件の導入
Project/Area Number |
04231212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾関 之康 東京工業大学, 理学部, 助手 (70214137)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | スピングラス / 界面自由エネルギー / レプリカ法 / ±J Ising模型 |
Research Abstract |
スピングラスの理論的描像は、EdwardsとAnderson模型を基礎とした平均場理論によって、統一的に理解されるようになった。そして、現実的な短距離模型において、この平均場描像がどのように実現され、また、修正されるかが、その後の研究者の興味の中心である。 界面自由エネルギーの方法は、規則系の相転移を解析する手段として開発され、非常の有効である事が確認されている。この方法は、常磁性相、強磁性相、スピングラス相が共存するランダム系の相転移の解析にも有効である事が示されていた。しかし、スピングラス秩序に共役な境界条件を用いていなかったので、スピングラス相の解析には、界面自由エネルギーの分布の幅が必要になり、分布の平均値で解析される強磁性相転移との精度の差に問題が残った。 本研究では、ランダムな秩序に共役な境界条件を提案し、スピングラス相など任意の秩序相の解析に有効な界面自由エルギーを求めた。この方法で得られる界面自由エネルギーは、常に 【numerical formula】 が成立するので、その平均値でランダムな秩序を調べる事が可能になり、従来の方法に比べて精度の良い解析が期待される。この方法を±JIsing模型に適用した結果、以前の結果と矛盾しない結果が得られ、方法の有効性が示された。また、二次元の基底状態において、以前から指摘されていた臨界的な振舞いを示唆する結果が初めて得られた。今後、この境界条件を応用したランダム系の解析が盛んに行われることが期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)