Project/Area Number |
04232203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鈴木 利孝 山形大学, 理学部, 助手 (90202134)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1992: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | エアロゾル / フラックス / 降水 / スキャベングングレシオ / 空輸過程 / 陸源、物質 / 天然放射能 |
Research Abstract |
陸起源エアロゾルの大気中濃度と大気圏フラックスを同時測定し、降水によるエアロゾルの除去機構を調べた。エアロゾルと降下物は、山形県の日本海岸で1日毎に10日間連続採取した。観測は、4、7、10月に、それぞれ1回ずつ行ない、得られた試料について、Si、Fe、SO_4^<2->、NO_3^-,^<210>pb、^<210>poなどを測定した。 1、粒子態Siの地表大気中濃度とウェットフラックスの間に有意の相関性はなかったが、隆水量とフラックスは寄与率89%で正の相関関係にあることがわかった。隆水に含まれる陸源粒子の多くは大気上層、特に雲内で捕獲されるためであろう。 2、エアロゾルの降水による除去効率を表わす、スキャベンジングレシオ(ウオッシュアウトファクター)を計算したところ、その大きさは、海塩エアロゾル(No;2500)>陸起源一次エアロゾル(Si、Fe;1600)>陸起源二次エアロゾル(^<210>pb、^<210>po;400)の順になった。粒径が大きいほど雲核になりやすいことの他に、エアロゾルサンプラーには捕捉されないほど高速で重力沈降する粒子が存在している可能性も考えられる。 3、粒子態Siのスキャベンジングレシオは、4月に最小となる季節変動を示した。アジア砂塵が頻繁に空輸される春期には、地表付近に高濃度の鉱物エアロゾル層が出現し、かつ、雨で洗われるエアロゾル量は、上層で雲内捕獲される覧に比べて小さいことから、見かけ上除去効率が小さくなったている可能性を示唆した。 4、粒子態Siの平均フラックスから見積もったアルミノケイ酸の年間フラックスは、14g/m^2yrとなり、1989年から91年にかけて観測された値、12g/m^2yrと、ほぼ同じだった。これは、日本周辺海域には、毎年1m^2当たり、降水によって10g以上の砂粒が降り注いでいることを意味している。
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