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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,強い重力波の発生源の有力候補として考えられているもののうちで,中性子星同士が作っている連星系の進化の最後に,中性子星同士が合体する場合に焦点をあてた。 まず,観測されている連星パルサーの中で、中性子星同士の系と考えられるものをとりあげ,どのような連星系がどのような進化を経ると,観測されているような連星系が形成されうるのか,そのパラメータ依存性を明らかにした。そして,中性子星同士の初期の距離はどの程度のものが期待できるか,そのような連星系の発生率はどのくらいか,といった重力波検出の可能性に関係した量を推定した。この場合,連星系を構成している星の質量交換過程で系からあふれるガスの持ち出す角運動量とか,爆発の際の非球対称度などがパラメータとなる。 星が超新星爆発を起こす場合,爆発後の連星系の状態を決める上で,連星中のヘリウム星の質量と中性子星の質量との関係が大切な量になるが,それは次のように推定した。まず,タイプIb/Ic超新星は連星系にできた比較的質量の小さいヘリウム星というモデルを採用する。その光度曲線をよく説明するからである。連星パルサーや二重中性子星の多くは,タイプIb/Ic超新星の段階をへて形成されるとする。それは,質量の小さいヘリウム星が超新星爆発を起こしても,連星系は壊れにくいためである。一方,タイプIb/Ic超新星の観測とモデルの比較から,ヘリウム星の質量と爆発後に残される中性子星の質量との関係が以前よりずっと高い精度で求めらた。この関係を使うことによって,観測されているような連星系が実現するために,これらのパラメータに対する制限がつけられ,連星パルサーの形成シナリオがより定量的に議論できた。
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