Project/Area Number |
04236213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
大谷 芳夫 富山県立大学, 工学部, 助教授 (00192518)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 精神物理学 / 運動知覚 / 仮現運動 / 色彩情報 / 輝度情報 / 等輝度刺激 |
Research Abstract |
外界の対象の動きを知覚する機能は、視覚系を持つ全ての生体に共通の機能であり、人間の感性情報処理にとっても最も基本的なものである。運動知覚に関する実心理学的研究では、複数の静止対象を適当な時空間間隔で提示した場合に観察される仮現運動現象を中心に検討がすすめられ、現在では時空間特性の異なる2種の下位系が運動視に関与すると考えられている。本研究ではこれら下位系の内遠隔運動系について、色彩刺激による往復仮現運動が消失するまでの時間を刺激-背景間のコントラストの関数として測定し色彩・明暗コントラスト、時間周波数、距離などの刺激要因の効果を検討した。その結果、時間周波数が適切な範囲内では等輝度近傍を最低部とするU字形の関数が得られ、明暗コントラスト情報が運動知覚の持続に大きく寄与していることが示された。また、刺激と背景の色彩が異なる条件では等輝度近傍でも運動消失までの時間が0とはならないという結果が得られた。これは遠隔運動系が色彩情報のみに基づいて運動信号を生成し得ることを示唆するものである。類似の刺激条件でLivingstone&Hubel(1987)が報告した等輝度近傍での運動消失は、彼らが用いた測定手続きに起因するもので、色彩情報が運動知覚に関与しないことを直接示すものではないと考えられる。さらに関数の形状は刺激間の距離に依存して組織的に変化することが示され、色彩・明暗コントラスト要因の寄与は距離要因によって制約を受けることが明らかになった。最近の運動視研究では、これまで検討の対象とされてきた刺激の提示時間、時間間隔、サイズ、距離といった要因に加え、色彩要因を考慮に入れた解析が広く行われつつある。このような試みを組織的に展開することは、従来個別に検討されてきた明暗知覚、色彩知覚、運動知覚などの研究分野の知見を統合し、ヒトの視覚情報処理機構の全体像を解明する上で有効なアプローチであると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)