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カエル核白内障の自然発症に対する力学的ストレスの作用機序の解明

Research Project

Project/Area Number 04237213
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Institution福井医科大学

Principal Investigator

藤井 豊  福井医科大学, 医学部, 助教授 (80211522)

Project Period (FY) 1992
Project Status Completed (Fiscal Year 1992)
Budget Amount *help
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Keywordsカエル / 水晶体 / 力学ストレス / 白内障 / 含水率 / 熱変性 / 超音波 / クリスタリン
Research Abstract

I.カエル水晶体の含水率とクリスタリン組成 水晶体周辺部の含水率は70%前後でありゾル状態であった。中心部に移行するに従って含水率の低下が進み、ゾルからゲル状態への層の移行がみられた。最終的に核では20%前後と著しい含水率の低下がみられ、核は事実上鋼球体であった。
水晶体構造蛋白質(α、β、ρ、γ-クリスタリン)の組成は含水率の低下即ち中心部に移行するに従って、α、β、ρ、-クリスタリンの減少とγ-クリスタリンの増加が認められた。さらに、中心部ほど不溶性クリスタリンの増加がみられた。
II.水晶体の顕微鏡観察 水晶体の物性は周辺部と核では著しい相異があり、凍結切片を作製するさい核は粉状に粉砕されてしまう。他の方法による切片の作製も同様容易ではなく、顕微鏡観察による力学的ストレスの解析にはなお検討する必要が残った。
III.熱力学的ストレスによる影響 加熱によ変性を調べると50℃より表面の白濁が進行し、その後完全に白濁変性する。しかし、この白濁は中心部では認められず透明な状態を維持している。一方、-80℃で凍結後、室温に戻すと、水晶体周辺部は依然透明であるが核は白濁変性を起こした。この傾向はトノサマガエルより食用ガエルでみられ、また大きい水晶体ほど白濁の程度が著しかった。変性の起こらない温度領域で低温高温の反復処理(0と40℃、それぞれ5分を一日反復負荷)を行ったが顕著な変化は観察されなかった。
IV.超音波による影響 超音波(1MHz、8w/cm^2)処理を20℃で5分行うと周辺部と核の中間層に気泡形成が認められ、この中間層に最も強い振動の力学的ストレスの影響が現われた。
以上、水晶体を核、中間層および周辺部の3層に分けて考察することができた。含水率の高い水晶体周辺部はゾル状態であり振動などの力学的ストレスに対して柔軟に対応できる反面熱に弱い構造となっている。中心部の核は含水率を極端に下げて蛋白質の高密度化を達成して熱や力学的ストレスに対処できる丈夫な構造になっている。ところが中間層は周辺部と核の両者の特徴を兼ね備えてはいるが、相反する性質が混在するが故にかえって力学的ストレスに対応しきれていない可能性がある。カエルの白内障はまさしくこの領域に集中していることから、力学的ストレスとの因果関係が示唆された。

Report

(1 results)
  • 1992 Annual Research Report

URL: 

Published: 1992-04-01   Modified: 2016-04-21  

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