体外力学モデルを用いた血管壁と血流の相互作用に関する実験的研究
Project/Area Number |
04237231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 篤 関西大学, 工学部, 助手 (50162334)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 血管壁と血流の相互作用 / 体外力学モデル / コラプシブルチューブ / 単脈波の伝播 / 流れの自励振動 / 管軸張力の影響 / 分岐部を通る拍動流 / 光ファイバーレーザー血流速計 |
Research Abstract |
生体内の弾性血管壁と血流の相互作用に関する研究の一環として、(1)動脈血管を模擬したゴム弾性管内を伝播する単一脈波の挙動と、(2)静脈血管や冠動脈を模擬した柔らかい、つぶれ得る弾性管、すなわちコラプシブルチューブ内の流れを実験と数値計算の両面から調べた。また、(3)血管分岐部を部分的に模擬した剛管モデル流路を通る拍動流中の瞬時・局所の速度場をレーザー誘起蛍光法を用いて詳細に調べ、(4)生体内の血流の局所速度を測定するための光ファイバーレーザー流速計(FLDV)の開発研究を行なった。(1)では、外力によって半ばつぶされたゴム弾性管内の脈波の土播を主に調べたが、単一脈波の伝播速度の実験値は、モデル弾性管の内外圧差対管断面積の実験関係式を用いた粘性一次元流モデルによる計算結果と良く一致した。しかし、脈波の圧力波形および脈波によって誘起された流速波形については、伝播距離が短い間は実験値と計算値は一致したが、遠距離になると食い違いが大きくなった。また、管軸張力をかけると、実験では主となる波の前面に数個の振幅の大きな波が発生したが、計算ではまったく現われなかった。これは管壁の動的挙動によるものと考えられ、その解明が必要である。(2)では、内外圧差が負の時に生じる流れの自励振動中の瞬時速度場がLDVにより測定され、管の最大つぶれ点より上流では流れは一次元的であるが、管の凹みの上流への伝播によるスパイク状の誘起速度場が重畳されていることがわかった。(3)では、拍動流では分岐部で減速期に数個の逆渦が発生し、細かく分裂し、流れは大きく乱れるが、加速期に渦は下流に押し流され、下流の娘管内の速度場は断面内でほぼ一様になった。これは、定常流で分岐部での流れの剥離の影響が娘管内で長く残るという結果とは異なっている。(4)では、プローブヘッドの改良により血管中に直接プローブを挿入して局所流速を測り得る可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)