Project/Area Number |
04238209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮本 明 東北大学, 工学部, 教授 (50093076)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 超臨界流体 / 表面吸着相 / 分子動力学法 / コンピュータグラフィックス / ミクロ-メソ2元細孔 / 脱離素過程 / 抽出 |
Research Abstract |
超臨界流体の関与するプロセスは、流体バルクだけではなく吸着層での挙動が重要な役割を果たす。しかし、超臨界流体自身に関する研究に比べ、吸着相における超臨界流体の構造とダイナミックに関する研究は極めて少ない。そこで本研究では分子動力学(MD)法とコンピュータグラフィックスを用いて、表面吸着相における超臨界流体の微細構造とダイナミックスについて検討を行なった。 固体表面からの超臨界抽出過程における超臨界流体の役割を明らかにするために、まず流体が存在しない場合について固体表面からの吸着分子の脱離素過程について検討した。温度が低い場合は、吸着種は固体表面上で熱振動はできたが、表面から脱離することはなかった。温度が高くなると、固体表面での2次元的な拡散が可能になった。さらに温度を上げると表面からの脱離が観察されたが、この時、吸着種自体の熱運動に加えて、固体表面原子の熱運動が大きく関与していることがわかった。超臨界流体の存在下では、固体表面からの吸着種の脱離(すなわち、超臨界抽出)が低温でも著しく促進された。その時、超臨界流体は流体層だけではなく表面吸着相にも存在するが、両者は激しく入れ替わることも認められた。 より実在的な系へのMD法の適用の可能性を検討する目的で、ミクロ-メソ2元細孔固体のミクロ細孔中に存在する吸着種の抽出過程のシミュレーションを行った。臨界点より低温、低圧の場合には吸着種は細孔表面から抽出されることはなかったが、流体が超臨界状態にある時は、吸着種がミクロ細孔からメソ細孔中に抽出された。このようにMD法は超臨界抽出など表面吸着相がかかわる超臨界抽出プロセスの原子レベルでの理解において有用であり、今後さらに多様かつ具体的な課題への適用が期待される。
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