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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究では,超臨界混合流体の熱力学性質を解明する目的で測定および臨界曲線測定装置の製作を行った。 1.高圧液相域における測定 高圧液相域においてエタノール,アンモニア水溶液を対象物質とし,温度310〜420K,圧力200MPaまでの範囲でPVT性質,飽和蒸気圧,飽和液体密度,等温圧縮率,体膨張係数などの測定を計画した。本研究では,まず,エタノール試料の脱水処理方法を確立するために,処理方法の異なる試料を用いて飽和蒸気圧を測定した。その結果,特級試薬(純度99.5vo1%)を蒸留したのち,モレキュラーシーブ4Aに36時間滞留させ,さらに3〜4回凝縮脱気した試料を用いることとした。このように処理した試料を用いて温度310〜400Kまでの範囲で10Kおきに27点の飽和蒸気圧の測定値を得た。これらの測定値の圧力は,15kPa〜524kPaの範囲にわたっており,温度測定精度は±bmk,圧力測定精度は±0.4kPa以内と推定した。また,測定値より求めた標準大気圧(101.325kPa)における沸点はTb=(351.42±0.10)Kである。 2.超臨界域における測定 超臨界流体の臨界密度を含む広い密度範囲において等温線の挙動を明らかにするために,トリフルオロメタン(Tc=299.01K)を対象物質として,温度310〜400K,圧力20MPaまでの範囲でPVT性質,等温圧縮率,体膨張係数などの測定を計画した。本研究では,実験装置が製作以来8年を経ていることを考慮し,まず装置を分解し,必要な部分の修理,試料容器・高圧弁などの交換を行った後に,再組立・耐圧試験および装置定数の検定を実施した。今後トリフルオロメタンの熱力学性質などを測定する予定である。 3.臨界曲線測定装置の製作 超臨界混合流体の臨界曲線を測定するための実験装置を設計・製作した。今後実験装置の健全性の確認の後,二酸化炭素の臨界定数などを測定する予定である。
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