Project/Area Number |
04240202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊土 政幸 北海道大学, 理学部, 教授 (90111145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 研 北海道大学, 理学部, 講師 (70204211)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 構造相転移 / 電子比熱係数 / 圧力効果 |
Research Abstract |
La-Sr系は、ホール濃度Pを絶縁体から超伝導の消失する領域まで系統的に変える事の出来る唯一の系である。この系ではPが0.2を越える辺りから、系の伝導性が良くなるにもかかわらずTcが急速に低下する。このため、超伝導の発現機構を考える上で高ホール濃度領域における超伝導特性を明らかにすることが重要となっている。ところで、La-Sr系ではp〜0.2になると斜方晶相に代わって正方晶相が低温まで安定化するが、これに伴って超伝導が消失するとの主張があり長い間論争となっていた。 本研究では、まず、"La-Sr系の正方晶相はバルク的超伝導を示すか否か"を明らかにするため、Sr濃度が0.2以下の試料に高圧を加えて(高温の)正方晶相を低温まで安定化し、その超伝導特性を反磁性から調べた。このような高圧実験ではx<0.2の良質試料を用いるため、(高温)正方晶相の超伝導特性を正確に調べることが期待できる。 次に、超伝導相と常伝導相における電子比熱係数γの差から高濃度領域(P>0.2)の超伝導体積百分率を見積ることを行った。常伝導状態のγは、Cuサイトに小量の不純物(Zn)を添加して超伝導を抑制することで測定した。 これらの結果、La-Sr系の正方晶相はパルクの超伝導を示すことが結論できた。しかし、高濃度領域(P>0.2)では超伝導相の充分低温でもγが有限となり、その値はxの増加と共に大きくなる。一方、磁化率の測定からホール濃度Pが0.19を越えた辺りから局在スピンが現れ、Tcが大きく低下することが明らかとなった。この局在スピン数はxと共に増加することから、これらの局在スピンが対破壊を引き起こすため超伝導がギャップレスとなってγが低温(T≪Tc)でも有限の値になることが結論できた。
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