Project/Area Number |
04240242
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
間瀬 正一 愛知工業大学, 教養部, 教授 (70037141)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 藤生 愛知工業大学, 教養部, 講師(非常)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1992: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
|
Keywords | 高温超伝導機構 / エニオン / 2次元性CuO_2面 / 低エネルギー・プラズモン / 遮蔽効果 |
Research Abstract |
銅酸化物高温超伝導体の超伝導機構に関し、以下に述べる幾つかの基礎的な仮定をおいて半現象論的理論を構築した。 (1)2-次元CuO_2面内のホールはエニオン性をもち、ボゾン的部分はフエルミオン的部分より上側のエネルギー範囲を占める。フエルミオン性、ボゾン性粒子の割合を近似的に定数aで表わす。(2)ボゾン的部分には超伝導遷移温度Tcよりはずっと高い温度でボーズ凝縮が起こる。(3)ホールから分離したスピンはその分離のパートナーである荷電をもつボゾンの運動に対してパイロットの役割を演じ、ボゾンの運動方向はCu^<++>イオンの短距離的反強磁性秩序により大きく制限される。 これらの仮定にできるだけ忠実に、系のエントロピー、自由エネルギー等を表わし、自由エネルギーの極小条件から、系の分布関数を導き出した。さらに、ボゾンの運動には上記のパイロット・スピンによる制御がかかるため、電荷の揺動を定める式に遮蔽効果を考慮する。その遮蔽定数をksとすると、このksの存在のため、集団励起モードは通常の高エネルギー・プラズマとは異なり一半局在的ながら伝搬性をもつ低エネルギー励起が発生することを示した。 低エネルギー・プラズモンはその性質が遷移金属中に存在すると見られている音波状プラズモンと良く似ている。それゆえ、存在するプラズモンを媒介とする既存の超伝導理論の結果を用い、そこに現われる各種パラメタの値を正当に評価して、Tc〜120K,2〜λ〜0.62(弱結合領城)という結果を得た。また、正常状態でのホール係数の異常温度依存性は上記のボーズ凝縮と密接に結びついていることも指摘した。かくして、この半現象論により、銅酸化物高温超伝導体の超伝導機構のみならず、遷移点より上での伝導における異常性をも併せて説明できることが分かった。
|