Project/Area Number |
04241213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
渡辺 政廣 山梨大学, 工学部, 教授 (00020412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 正実 山梨大学, 工学部, 助教授 (40115316)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 電気化学的還元 / 電解還元 / 二酸化炭素 / 銅合金 / 合金電極 / 電極触媒 / 結晶構造 |
Research Abstract |
本年度は、Cu-Sn、Cu-Zu合金を取り上げ、その組成、結晶構造とCO_2還元選択性との関係について詳細に検討して来た。電解還元はCO_2を飽和の0.05M KHCO_3水溶液中で行い、生成物はガスクロマトグラフ、液クロマトグラフを用いて定量した。合金はこれ迄と同様、金基板電極上に電析により形成させ、電解還元実験後にX線回折法で結晶相の解析を行い、その後王水で溶解してICP分析法で全組成を決定した。先ず、ピロリン酸浴、シアン浴から電析したCu/Sn≒50/50合金の電流効率の電位依存性を検討した。前者では蟻酸が主に生成し、またCOもかなり高効率で生成した。何れも可逆電位から生成し、電流効率即ち選択性は過電圧の増加と共に増大し、蟻酸に対しては最大60%の電流効率が得られた。他方、シアン浴から得た合金上ではCOが主生成物であり、また生成に大きな過電圧を要した。両者の著しい違いは、析出微結晶の結晶相の違いによることが、X線解析の結果から明らかになった。即ち、前者はCu/Sn=1/1組成の金属間化合物、固溶体微結晶から成り、後者はこの全組成からずれた組成の微結晶から成っていることが分かった。結晶相の差が単に選択性のみならず、著しい可逆性の違いをもたらす事は、特筆に値する。 そこで次に、シアン浴中で種々の組成のCu-Sn合金の電析を行い、その結晶相とCO_2還元電流効率との関係を調べた。全組成Cu/Su=5/1にほぼ等しい組成の金属間化合物Cu_<5.6>Sn、固溶体の微結晶上で、最大のCO生成効率が得られ、その効率は60〜80%となる事が分かった。Cu-Zn合金に関して同様に検討した結果、全組成とほぼ等しいCu_5Zn_8合金相に於いて、最大80%のCO生成効率が得られた。シアン浴から作成した上記合金では、高い選択性は得られたものの、可逆性は低く、大きな過電圧を要した。 以上から、反応選択性、反応可逆性の支配因子は、全組成ではなく特定結晶相、言い替えると異種原子の配位状態にある事が分かった。
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