時間分解ENDORによるポルフィリン・フタロシアニン多量体の三重項ダイナミクス
Project/Area Number |
04242202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 清語 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (10127152)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ポルフィリン / フタロシアニン / 三重項状態 / 時間分解ESR / 時間分解ENDOR / 二量体 / 多量体 |
Research Abstract |
本研究の成果は、時間分解ENDOR装置を組み立て、世界で初めて励起三重項の時間分解ENDOR信号を観測したことである。以下、装置と実験結果について詳しく逆べる。 まずENDOR装置の製作は、次の点に留意して各部分の設計を行った。a.強い時間分解ESR信号を観測すること。b.効率よくRFを導入すること。c.温度可変装置(オックスフォード社)を装着すること。これらを満足させるためにいくつかの共振器を試作し、最終的にTE_<011>モードの共振器内に3turnのヘルムホルツ型コイル(2R=13mm)を導入し、RF波をパルス化したENDOR装置を完成させた。装置の時間分解能は100ナノ秒である、この時間分解ENDOR装置を用いてキノキサリン(Qx)/p-ジブロモベンゼン単結晶とH_2TPP(テトラフェニルポルフィン)/トルエンglass中のQxとH_2TPP三重項のENDOR信号を観測した。励起三重項の時間分解ENDOR信号はこれまでに報告されておらず、初めての観測である。驚くベきことに観測されたENDOR信号強度はESR信号の70%にも達している。これは時間分解ENDORのCIDEP(電子スピンの異常分極効果)効果のよるものである。この方法は、従来のODMR(光検出磁気共鳴法)やスピンエコーを用いたENDORと比べて、高温(1.4K vs 100K!)、glassの中でも観測可能であるなどの特徴をもっており、この方法によって、ENDORの適用範囲が著しく広がることが期待できる。本研究においては、TRENDORを用いて多量体と単量体の超微細結合定数(hfcc)を求め、その大きさから直接的に多量体におけるスピンの広がり(分布)を決定する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)