Project/Area Number |
04242217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 善則 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90135674)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 光イオン化 / ジュミネート再結合 / 三重項成生 / 振動緩和 |
Research Abstract |
光イオン化は重要な光化学初期過程のひとつであり多くの研究がおこなわれてきた。これまで無極性溶媒中のイオン化により生成した電子一カチオンジュミネート対は再結合で溶質の最低励起一重項を収量1で生成すると考えられてきたが、これは実験的に確かめられているわけではなく問題があると考えられる。たとえば266nmのピコ秒パルス光を用いて無極性溶媒中でピレンを二光子イオン化するとかなりの収量でピレン三重項が生成することが知られているが、この三重項生成は通常の項間交差によるものとくらベ極めて速くおこる。このような三重項生成を他の溶質も含めてピコ秒過渡吸収測定法により調ベた。415nmの過渡吸光度の立ちあがりからピレン三重項の生成は約30psの時定数でおこることがわかった。また430nm付近の吸光度は同程度の寿命で減衰する成分のあることがわかった。励起直後の過度吸収スペクトルの詳細な解析から500nmから短波長側にかけて吸光度の増大するブロードな吸収が見られることがわかったが、これは三重項の前駆体によるものと考えられる。溶質としてペリレン等を用いた場合にはこのような速い三重項生成はほとんど観測できなかったが、芳香族ジアミン類を用いることによりジェミネート再結合によると考えられる三重項生成が効率良くおこることがわかった。溶質としてピレンのみを用いた場合は三重項は観測されるがカチオン吸収は観測されなかった。しかし、電子捕捉剤としてパーフロロデカリン等を加えると三重項生成が起こらなくなりピレンカチオンの吸収が観測されるようになった。電子捕捉剤の無い場合も同程度のイオン化は起きていると考えられるが、カチオン吸収が観測できなかった原因としてはジェミネート再結合が速いことの他にイオン種の振動緩和が他の励起状態とくらべて遅いことが考えられるが、これは極性溶媒中の測定により確かめられた。
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