有機強磁性体の開発を目的とした安定ラジカルを含む高分子合成とその磁性研究
Project/Area Number |
04242220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三浦 洋三 大阪市立大学, 工学部, 講師 (50047312)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 有機磁性体 / 共役型高分子 / 安定ラジカル / ESR / 磁化率 / SQUID |
Research Abstract |
有機磁性体構築へのアプローチとして全共役型高分子のトポロジー的対称性に着目し、平行スピン集合系構築しようとする試みは有力である。本研究では、平行スピン集合系構築のための指導原理に従って、安定ラジカルを含む全共役型高分子の合成を試み、その磁性をSQUIDにより検討した。なお全共役型高分子としてポリ(フェニルアセチレン)とポリ(1,3-フェニレンエチニレン)を、また、安定ラジカルとしてニトロキシドおよびニトロニルニトロキシドを選んだ。 ニトロキシドを含むポリ(フェニルアセチレン)ポリラジカルはニトロキシドフェニルアセチレンのロジウム触媒を用いた重合により、ラジカル含有率85%、分子量11000の橙色粉末として得られた。また、ニトロニルニトロキシドを含むポリ(1,3-フェニレンエチニレン)ポリラジカルはニトロニルニトロキシドの1,3-エチニルベンゼン誘導体と1,3-ジョードベンゼンのパラジウム触媒存在下での重縮合反応により、ラジカル含有率82〜91%、分子量4300〜4800の青色粉末として得られた。これらポリラジカルのESRスペクトルは高スピン濃度のために起ったSPim exchamge効果により、超微細構造の消えた1本の単純な吸収線となった。 ポリラジカルの磁性特性はSQUID法により1,8-300Kの温度範囲で検討された。その結果、両ポリラジカルともに、15K以下の温度では反強磁性を示す常磁性体であり、スピン間に強磁性的相互作用が誘起されていないことが示された。この磁気測定結果より、スピン間に強磁性的相互作用を誘起させるためには、スピンの共役主鎖への流れ込みをもっと大きくする必要があると結論された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)