in vitroシナプス形成で自己組織化された大脳皮質神経回路網の構造の機能
Project/Area Number |
04242650
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
黒田 洋一郎 東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究部門, 副参事研究員 (30073084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 正博 東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究部門, 主事研究員 (40224828)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Keywords | 電気活動 / 大脳皮質 / パッチクランプ法 / ニューロン閉回路 / トレーシング回路 / 記憶強化 / カルシウム / シナプス可塑性 |
Research Abstract |
記憶がニューロン回路として保持されている大脳皮質連合野や海馬のシナプス結合については、まだまだ不明の点が多い。前年度までには我々は大脳皮質や海馬の初代培養系で多数のシナプスを形成させ、シナプス形成の定量的解析に成功した。この系は別の見方からすると、培養下でニューロン同士がお互いに遺伝情報の発現を調節しながら、ニューロン回路網を自己組織化したと考えられる。したがって、皮質ニューロン回路のモでル系として、テーマ[I]ニューロン回路の電気性理学的な実態と解析、テーマ[II]それぞれのシナプス結合の可塑性、テーマ[III]それぞれのシナプス結合のニューロン特異性などが細胞レベル、分子レベルで容易に解析できる可能性が高い。 本年度はNTT基礎研究所川名グループとの共同実験で、テーマ[I]すなわち低マグネシウム下での、大脳皮質ニューロン回路網の電気活動をwhole-cell putch clamp法とCa^2螢光測定を使用して解析し以下の結果を得た。1シナプス形成の指標となるCa^2の一過性の上昇は、予想された通り、シナプス結合を介した多数のニューロン同期した発火によっていた。2これらの発火は、自発発火を繰り返すペースメーカーニューロンによる可能性があるが、そのようなニューロンは検出できなかった。3発火と発火の間に、自発的な不規測な徴小興奮性シナプス電流が不規則に観察され、、こららが多数の興奮性シナプス入力を受けているニューロンで確率的にconversionを起こし、これがシナプス結合している回路網全体に拡がることが示唆された。4レーザー・ビームで、回路網の切断を行った実験も3の可能性を支持した。したがって、Ca^<2+>上昇の頻度が回路内のシナプス形成密度に比例していることも当然と考えられた。テーマ[II]はテーマ[I]に引続き実験中で興味ある結果が出はじめている。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)