Project/Area Number |
04243209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小原 繁 京都大学, 理学部, 助手 (80160935)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 分子積分 / 漸化表式 / 高速計算法 / 高角運動量関数 / ガウス基底関数 |
Research Abstract |
化学反応の量子化学的理論計算で必要になるd関数以上の高い角運動量関数を基低にした分子積分のうち多量の計算時間を要する電子反発積分とその原子座標に関する1次の微分の計算について漸化表式に基づく効率良い計算方法の開発とプログラム化のための作業を行なった。 電子反発積分とその微分の計算に必要な誤差関数(不完全ガンマ関数)を区分求積法で求値する時に必要な分点とその重みをチェビシェフ補間法により最大16次の多項式にフィッティングしてこれをプログラム化した。作成した分点の最大数は13であり、軌道量子数の総和が25(例えばi関数の電子反発積分の1次微分)までの分子積分を計算できる。また、これで求値した誤差関数が相対誤差10^<-14>以下になることを確認した。通常の計算では充分な精度である。 テーラー展開法と区分求積法のいずれの計算法においても垂直漸化関係式と水平漸化関係式の両者を使用したが、テーラー展開法による計算の方が求値すべき項数が区分求積法の約半分になった。前者の方が効率良い計算に適している。ただし、後者の方法でも重複する計算をまとめる等の修正を施せば前者との差を小さくすることができる。 1次微分の計算では分子積分の大きさと密度行列要素の大きさの両者を考慮することにより時間を従来の半分に節約することができた。行列要素の大きさを同一シェル内の最大値により保存したので判定に多くの計算時間を要せず、また、計算精度が期待しているもの以上に減少することも防げた。豊富な基低関数系ほど小さな値の行列要素の数が多いので、このような場合ほど大きく計算時間を節減できることが期待できる。
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