Project/Area Number |
04243210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小杉 信博 京都大学, 工学部, 助教授 (20153546)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 内殻励起 / 電子相関 / 開殻分子 / リュードベリ状態 |
Research Abstract |
1.内殻励起状透を求めるための方法論に関係して以下のことを行なった。 (1)開殻系のIVO法の開発、 (2)内殻ホール状態のSCF法の確立、 (3)内殻ホール状態を記述するのに適した基低関数の検討、 (4)内殻ホール状態のCI法の確立 2.内殻準起分子の高分解能スペクトルを解析した。特徴的な結果を簡単にまとめる。 (1)開殻系における等価内殻近似の破れ NOのN1s→2pπ準起状態は、△、Σ^+、Σ^-の対称性を持ち、従来、等価内殻近似に妥づきO_2の基低状態、準起状態に対応させて解釈されてきたが、全く間違っていたことが判明した。内殻スピンをあらわに考える必要性を指摘した。 (2)σ^*共鳴の交換相交作用による分裂 束縛共鳴状態とRydberg状態が同じエネルギー領域あるときの扱いは非常に難しい。例えば、O_2ではσ^*共鳴状態がRydberg状態と同じ領域に来ており、これらの位置関係に関する理論的な解釈はこれまで一致を見ななった。しかし、O_2の高分解能スペクトルでは分裂したσ^*共鳴状態と同じ領域にかなり独立にRydberg状態が存在しており、このことは理論的にも確かめられた。また、σ^*共鳴の分裂の原因が交換相互作用によることが理論的にはっきりした。σ^*準起状態とRydberg励起状態ではイオンコアが異なることもわかった。このことからRydberg-valence混合は一カ所にしか起きないと予測した。 (3)Rydberg全遷移の養択則 1s内殻からの励起であるので、p性軌道への遷移が強く、s性軌道やd性軌は弱いとして帰属が行なわれてきた。しかし、Rydberg軌道が貫入している内部の成分は必ずしも外側の対称性を反映しておらず、選択則は成立しないことがわかった。例えば、COのO1sではdπ性軌道への遷移が最も強くなる。
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