凝縮系における化学反応量子動力学に関する理論的研究
Project/Area Number |
04243220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute Fundamental Chemistry |
Principal Investigator |
長岡 正隆 基礎化学研究所, 副主任研究員 (50201679)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1992: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 分子動力学法 / 超溶質分子 / 媒質性溶媒分子 / 複合基準座標系 / Langevin方程式 / 摩擦係数 / 有効RRKM理論 / 一般化Grote-Hynes理論 |
Research Abstract |
平成四年度の研究活動は、凝縮系の化学反応における溶媒効果を概念的に(i)平衡溶媒効果と(ii)非平衡溶媒効果(摩擦効果など)に分け、微視的見地からの反応速度の導出を試みた。同時に化学反応分子動力学法(The Chemical Reaction Molecular Dynamics(CRMD)Method)に基づくシミュレーション的研究を行い、溶液内化学反応におけるエネルギー移動を原子レベルで解析した。具体的には次のような詳目内容に分けられる。 (1)遷移状態近傍の溶媒和状態を考慮して、狐立状態の超溶質不子系(=溶質分子+反応性溶媒分子群)と媒質系溶媒分子系との各々から、複合基準座標系(Composite Normal Coordinate System)を構築し、化遷移状態近傍の全断熱ポテンシャル曲面を二次の精度まで表し、有効RKM理論の枠組で平衡溶媒効果を評価した。更に得られた反応速度を,計算してシミュレーションの合果と化較した。 (2)(1)とは異なり非対角要素が無視できない場合や熱浴モードの非平衡性等による非平衡溶媒効果が大きい場合が存在する。そこで全反応系の微視的ハミルトニアンから得られる運動方程式系を基礎に、反応座標作に関する一般化Langevin方程式を導出し、適当な初期条件の下で平均操作をして得られる、反応座標に関する平均化有効運動方程式の解析から、摩擦係数の議論による理論を展開した。 (3)超分子クラスターを凝縮系への過渡的状態あるいは溶液反応における本質的なアクティブ・サイトのモデルとして捉え、より現実的に化学反応を時間に依存した現象として取り扱うため、数値的手法である化学反応分子動力学法を用いて化学反応に伴って生じる構成原子種の再配列を動力学的に経時的に追跡すると共に、その際生じルエネルギー移動のメカニズムを原子レベルで解析した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)