Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山鳥 重 兵庫県立姫路循環器病センター, 神経内科, 部長
平井 有三 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (80114122)
田中 啓治 理化学研究所情報科学研究室, 主任研究員
小野 武年 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50019577)
大森 隆司 東京農工大学, 工学部, 助教授 (50143384)
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Budget Amount *help |
¥31,000,000 (Direct Cost: ¥31,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥31,000,000 (Direct Cost: ¥31,000,000)
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Research Abstract |
学習・記憶・思考・認識などのメカニズムを,実験的な手法と,モデルによる研究との両面から調べ,下記の結果を得た. 1.サル海馬体および海馬傍回には,課題,空間(自己および外界中心的空間),場所,およびそれらの組み合わせ(連合記憶)に応答する細胞が存在する. 2.海馬およびその周辺を選択的に冒すヘルパス脳炎によって純粋健忘症候を示したヒトの症例を調べた.MRI画像から測定した海馬体の体積と,言語記憶検査および記銘力検査の成積がよく相関した. 3.大脳の側頭葉に図形特徴を表すコラム構造があり,各コラム内の細胞は似た図形特徴に反応する.コラムが表す図形特徴は中程度に複雑で,物体の視覚象はいくつかのコラムの反応の組合せで表せる. 4.視覚パターン認識には,受容野の不均一性が役立っていることを神経回路モデルを用いて実証した.例えば受容野周辺部の解像力を中心部よりも下げると,変形パターンを認識する能力が増大する. 5.海馬と新皮質との相互作用で記憶が形成されるというモデルを提唱した.海馬と新皮質に相互に補完的な異なる記憶機能を割り当て,そのシステムの動作として記憶が実現されると仮定している. 6.認識,思考,行動形成を統一して扱う能動的認識のアルゴリズムを考案した.これを触知覚システムに適用し,少ない観測回数で高い識別率をもつ材質識別システムを実験した. 7.エピソード記憶のモデルを作成するための基礎として,例外を含む意味ネットワークから矛盾なく情報を検索するための神経回路モデルを構成し,ハードウエアで実行した. 8.動物の行動戦略の進化を調べるために,コンピュータ中に設けた生体環境中で,マメゾウムシの行動的戦略モデルを遺伝的アルゴリズムを用いて計算し,生物実験と同じ進化が起こることを確認した.
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