Research Abstract |
本研究においては,競合学習の能力を拡張することと,その超並列分散処理による計算方式をテーマとしている.本年度においては,前年度までの準備を用いて,次のような大きな進展があった. (i)多重降下競合学習アルゴリズムによる静止画像処理 (ii)多重降下競合学習と強制情報との結合を用いた静止画像からの動画像生成 (iii)競合学習における評価規範の一般化と結合パラメータの動的制御 項目(i)においては,まずレベルの異なる2種類の特徴マップを生成する画像圧縮方式を開発した.この方式においては,31dB/pelの性能が得られる.そして,このとき生成された特徴マップは,項目(ii)の動画生成に用いることができる.すなわち,静止画像から得られた特徴マップに外部情報を加えることによりこれを変形し,その結果,変形された再生画像が得られる.さらに,特徴マップの変形過程を時間的に補間してそれぞれの特徴マップにニューラル重み(画像の標準パターン)を埋め込めば,動画像の各コマができあがる.そして,それをマルチメディアコンピュータにより表示すれば動画像となる.この方式の意義は,「動画像を1枚の静止画像から生成できること」と「高能率な情報圧縮が同時に行われること」の2点にある. (iii)の評価規範の一般化については,ほとんどの競合学習を含む方式を確立できた.このとき,評価規範中の部分コストを自律的に調節して良い学習結果を得る方式も確立できている.これは超並列分散処理が可能な計算学習方式となっている. 本研究は,以上のような多くの成果を得て終了した.
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