Project/Area Number |
04246215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
板東 武彦 新潟大学, 医学部, 教授 (50029534)
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 近見反応 / 眼球運動 / 輻輳運動 / 大脳視覚連合領 / 視覚前野 / 焦点調節 / 局所破壊実験 / 神経生理学 |
Research Abstract |
近見反応は輻輳眼球運動・焦点調節・縮瞳からなる複合大脳反射であり、精緻な視覚の前提をなす。ネコ高次視覚領の外側シルビウス上領(LS皮質)は、運動視覚に関係するが、それと共に、LS皮質では微小電気刺激により輻輳運動・焦点調節・縮瞳が誘発されまた自発性焦点調節・縮瞳応答と相関した細胞活動が記録される。本研究では従前の研究に引続き、輻輳運動を中心とし次の研究を行った。(1)訓練した覚醒動物(ネコ)を用い、視標の接近運動に対する輻輳運動・焦点調節応答・LS皮質細胞活動を記録し、輻輳運動・焦点調節とニューロン活動との相関を分析した。426個のLS皮質ニューロンのうち、3%は輻輳運動がピーク速度に達する時点に1秒-20ミリ秒先行してピーク速度値と正の相関をもち、その活動が増加した。先行時間は、焦点調節系のそれとほぼ一致した。(2)LS皮質機能脱落の効果を調べた。電気凝固によるLS皮質局所破壊の結果、輻輳運動のピーク速度・大きさ、焦点調節の大きさが有意に減少した。すなわち、LS皮じは視覚対象の動きについて視覚情報を処理し、その結果を脳幹の眼球運動実行系に与え、視覚対象の比較的速い動きの追随を可能とすると考えられた。輻輳運動系がフィードバック制御のみでなく、視覚対象の脳内イメージを入力とするプログラム制御を受けることを考慮すると、LS皮質は後者の担い手としての役割を持つと考えられる。(3)LS皮質にBIOCYTINをマーカーとして局所注入、領域内微小線維結合を分析した。(4)以下及び従前の研究結果を総合し、LS皮質には近見反応の3要素にそれぞれ関係する小分野が存在し、その有機的結合により、LS皮質内で近見反応要素が統合され、精緻な3次元形状視に不可欠なこれら眼球運動制御が可能となることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)