Project/Area Number |
04246245
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
彦坂 和雄 東京都神経科学総合研究所, 医学心理学研究部門, 主事研究員 (60129004)
|
Project Period (FY) |
1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1992: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 図一地干渉作用 / 形態視 / 後部下部側頭葉細胞 / マカクザル / 上側頭溝下壁細胞 |
Research Abstract |
笑気麻酔・不動化した日本ザルを用い、視覚形態情報の検出機能に関与すると考えられる後部下側頭葉皮質(上側頭溝と回)から神経細胞活動を記録し、視覚形態刺激と背景刺激を同時に与え、2種類の刺激の相互作用について比較検討した。視覚パターン刺激として8種類の刺激(+、■、▲、●、タワシ、手、サルの顔、星形)を用い、背景刺激としてストライプとドットパターンを用い、次の4条件における視覚応答性を検討した。(1)背景刺激がない状態でパターン刺激を運動刺激として与え、反応性を検討する。(2)パターン刺激がない状態で、背景刺激を運動刺激として与え、反応性を検討する。(3)背景刺激を静止させ、最適パターン刺激を運動刺激として与え、反応性を検討する。(4)最適パターン刺激を静止させ、背景刺激を単独に運動刺激として与え、反応性を検討する。現在までに、上側頭溝皮質(PIT-m領野)から256細胞、回皮質(PIT-1領野)から158細胞を記録した。受容野の配置や視覚応答特性から、1.2領野ではそれぞれ独立して網膜対応関係が存在することから、2領野はそれぞれ異なる領野であった。2.8種類のパターン刺激のうち1種類のパターン刺激にしか反応しない細胞(パターン選択性の高い細胞)は、PIT-m領野に比べてPIT-1領野で多く記録された。3.パターン刺激と背景刺激の相互作用の強い細胞は、PIT-1領野に比べてPIT-m領野で多く記録された。パターン弁別学習を障害させる後部下側頭皮質の摘除域には、今回記録した2領野が含まれている。本研究結果や解剖学的知見から、2領野はそれぞれ物体の形態検出機能に関与するが、異なる側面に関与すると考えられた。PIT-m領野はパターン情報と運動情報が統合され、ノイズの中から物体の形を検出する機能に関与し、PIT-1領野は専から、パターン情報を処理し、物体の形を詳細に検出する機能に関与していると考えられた。
|