Project/Area Number |
04247202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 孝之 東京大学, 医学部(分), 助手 (10166671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 薫 東京大学, 医学部(分), 助手
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Project Period (FY) |
1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | アクチビン / 骨髄ストローマ細胞 / Tumor necrosis factor / Interleukin-1 / Fibroblast grawth factor(FGF) / Platelet-derivol growth factor(PDGF) |
Research Abstract |
アクチビンAはtransformonggrowthfactor-βfamilyに属する蛋白で造血細胞においては特に赤芽球系の増殖・分化を促進する。私どもは造血制御において中心的役割を果たす骨髄ストローマ細胞が本因子を産生する可能性を検討した。マウス骨髄ストローマ細胞ST2,PA6においてホルボルエステルPMAは速やかにアクチビンAmRNAを増加させ、本因子の産生を惹起した。炎症性サイトカインTNF-α,IL-1はアクチビンAの産生を48h以上の経過で緩徐に惹起し、これはmRNAの増加を伴わなかった。そこで、さらに本遺伝子の生理的活性化因子を探索した。その結果、ペプチド増殖因子であるbFGF,PDGFがこの作用を持つことを見いだした。この結果は、これらの増殖因子がアクチビンAのの産生を介して間接的に造血を制御する可能性を示唆する。bFGFによる本因子mRNAの増加はシクロヘキシミドにより増強され、またmRNA増加後にアクチノマイシンDを加えたところmRNAの半減期が著明に延長された。これは、不安定な蛋白が本mRNAの分解に関与すること、すなわち転写後の調節機構を示唆する。ヒト骨髄ストローマ細胞KM102ではTNF-α,IL-1がPMAと同様速やかにアクチビンAmRNAを増加させ、本因子産生を惹起した。しかしPMAの作用がシクロヘキシミドやCキナーゼのダウンレギュレーションにより抑制さるのに対し、TNF-α,IL-1の作用はこれらにより抑制されず、PMAとは異なる作用経路が示唆された。さらに、私どもはアクチビンAが骨髄ストローマの増殖に及ぼす影響を検討した。本因子はST2において単独で、またbFGFやPDGFと相乗的にDNA合成を促進した。以上の結果は、アクチビンAがストローマ細胞のオートクリン増殖因子として働く可能性を強く示唆する。このように、アクチビンAの造血組織における発現および作用機構について種々の知見を得ることができ、本研究目的は十分達成された。
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